「死ぬにはいい日」「死ぬにはいい日」大往生研究会・林泰夫編この本は、著名人の死に様というか、死の直前に語った言葉などを集めたものである。 幸田露伴、夏目漱石、カント、ゲーテなど、誰もが知っている有名人ばかり。 人間と生まれたからには必ず迎えるその時に、その人がどのように死を受け入れたり抵抗したかということは、結構興味深いものがある。 何人かの人の言葉を書いてみよう。 ●家族・友人への別れ 「ぢゃあ、おれはもう死んじゃふよ」幸田露伴 「泣いてもいいよ」夏目漱石 「おれもとうとうお父さんにほめられた」宮沢賢治 ●生と死の苦患 「誰かこの苦を助けてくれるものはあるまいか」正岡子規 「昼も夜も、昼も夜も、・・地獄!」リルケ 「僕を殺してください、さもなければあなたは人殺しです」カフカ ●死を受け入れて 「これは死病で治療の方法がない」森鴎外 「わしはひとりで死ぬるのじゃ」尾崎放哉 ●最期のことば 「コレデオシマイ」勝海舟 「パレットをくれ・・早く絵の具を・・」ルノワール それぞれに、その死の状況とあわせて読むと、とても味わい深いものがある。 生き様は死に方に通じるのだろうなと思わせられる。 さて、私は最期にどんな言葉を言うのだろう。 しゃれた言葉の一つもいいたいけれど、それは無理だろう。 せめて親しい人にお礼くらい言えたらいいのだけれど。 2005年01月06日 |